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一役者の気ままな雑記。 何処へ転がりまするやら。

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”心”-夢の場『東海道四谷怪談』

 “ドロドロになり、幕の前より心の文字、上へ引いてとる”
心(こころ)という字を見せて置いて始まる場面は、
現実ではない夢の場の印。
過去の思い出であったり、これから起こりそうな悪夢であったり。
黙阿弥『三人吉三』では、
3人の吉三が曾我もの縁りの人物になって地獄で暴れるという夢が登場する。
正月狂言は曾我物という宿題を消化するとともに、
夢から覚めた和尚が眼前の墓標に無常を感ずる良い場面となっている。


『四谷怪談』の夢の場も、
蛍舞う美しい舞台面と役者を見せて
このあとの凄まじい怪奇を際立たす効果の場でもある。

 今風に考えれば民谷伊右衛門の深層心理。
フロイトやユングならどう分析するか興味深いところでもあるが、
『四谷』の場合、他人の夢にも易々と干渉できそうなお岩さまが居て
一筋縄ではいかない。


 とは言え、七夕の牽牛織女を思わせる二人は
出会った頃の岩と伊右衛門の姿とも見え、
所詮判り合えぬ男女の原風景とも見える。
此の夢の中では悪友・秋山長兵衛までが、現実と違って
仲違いするまで伊右衛門とぶつかり合う。


舞台となる田舎家は、夢の中のこととて
初演本には場所の指定はないが、所作事として演じられるようになってのち
王子滝野川の場と記されたこともある。
この近辺には桜の名所飛鳥山がある。
飛鳥山由来碑

現在は飛鳥山公園。
明治6年、突如迎えた太陽暦の新年一月十五日の太政官布告が
日本に八十ほどの公演をつくるが、
布告中に例示された芝や上野を差し置いて布告の日に開園しているのが
飛鳥山公園。紛れもない本邦公園の草分けである。

 ここを桜の名所にしたのは徳川八代将軍吉宗。
生類憐みの令で途絶えていた鷹狩りを復活させるに伴っての措置で、庶民の行楽を推奨した。

 夢の中の伊右衛門と於岩の出会いも
鷹狩の鷹が仲立ち役、その鷹が鼠に変身すると、
蜜月の夢は於岩さまの支配する悪夢へとかわり、
大詰・蛇山庵室へと場面は変わる。
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