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一役者の気ままな雑記。 何処へ転がりまするやら。

“毎度”のポーズ

 十月半ば東京に帰ってきたら、東北のスーパーに豊富にあった戻り鰹の柵はもう見当たらない。鱈の切り身など鍋物モードに変わっている。鍋材料の並ぶ店内、そういえば肌寒い。
 「なるほどそんな季節か」白身魚を買ってレジを抜けると、外はまだ暖かい。肌寒かったのは冷房が効かせてあったからだった。



 最近スーパーのレジでもみぞおちの辺りで手を組んでお辞儀をする様をよく見かける。そういう教育をしているのかと思って気をつけてみると、うちの近所の五輪(仮名)でもイナセ屋(同)でも指導されているわけではないらしく、統一されたしぐさではない。

 時代劇に出てくる商人にも、揉み手や手を握るしぐさはあるが、胸の辺りまで組んだ手を上げたお辞儀は、どうもなじまない。

 いずれ老照屋(仮名)なり蒔怒鳴人(仮名)なりのファストフード店の接客マニュアルから生まれて、一般化したものだろうと当りを付けているが確証はない。
 “手持ち無沙汰”という言葉があるが、舞台でも手の持ち扱いには苦労するもの。
 東南アジアかどこかよその国の文化にも、武道の一礼風にも見える。
 イギリス式のホテルマンの作法には一方の手でもう片方の指をつかんで前に降ろして客を迎えるというのがあるらしい。そうした西洋の作法がカウンターの高さ分手の位置を上げてアレンジされたものででもあったろうか。
  敵意のないことを示す、というお辞儀の原点からいえば武器を持たない手を示すのは理に適ったことともいえる。
 

 ハンバーガーを三十個買ったお客に「こちらでお召し上がりですか」と聞いたというはなしがある。少々違和感を覚えるのは、そんなマニュアルをからかった小噺を知っているからであろう。
 ら抜き言葉や新しい言い回しがふつうの日本語になっていく如く、このポーズは、既に日本のしぐさ文化の一つなのかもしれない。
基本姿勢

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