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一役者の気ままな雑記。 何処へ転がりまするやら。

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こころがら

 五重塔に何故心柱があるかには、諸説ある。

 が、ご住職はもう亡くなった宮大工の棟梁から聞いた話が忘れられないという。
 棟梁若き日の修行時代、木を乾かしておく貯木場で弁当を使っていると大きな地震が起った。木は井桁に組んで積み上げてあったが、ある仕掛けがしてあるものは微動だにしないのに仕掛けのない木組みは崩れてしまった。

 仕掛けとは、井桁の上に一本の材木を乗せその真ん中から紐を降ろして錘をぶら下げただけのもの。若き日の棟梁は直感した、これは心柱だ、この仕掛けが揺れを吸収したのだと。
 

 この話に、いつも塔のことを考えているからそれがわかったのだと感銘した、とご住職は仰言る。棟梁の話をそう聞けるのは、ご住職自身に見る目聞く耳があったから。同じものを観聞きしても何を得られるかは心柄ということなのだろう。


 改修後数年、火災報知機が鳴った。警報は珍しくない、又誤報と多寡を括りつつ塔の前に立ったご住職は慄然した。散乱するペットボトルから掛けられた灯油による火が今まさに燃え盛っている。

 塔は煙突のようなもの、内部に火が入ればもはや消し止めようはない。露伴の名作の舞台となった谷中五重塔はまさに天井から火を吹いて炎上したのだった。動転していたのか消火器はうまく働かず、放水銃で何とか消し止めた。

 放火の犯人はいまだ捕まらずその動機もわからないが、御住職が駆けつけるのが一瞬遅ければ谷中の五重塔と同じ運命。今日この塔を見ることはなかった。塔の内部を公開していた頃の落書きも多いという。


 現在塔内部は非公開。これも心柄か。
谷中天王寺五重塔跡

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