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一役者の気ままな雑記。 何処へ転がりまするやら。

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せんと周五郎DAY



 十六日から大阪日本橋の国立文楽劇場で上演する劇団前進座公演『さぶ』のネタバレを多数含んでいます。







孤独なヤマアラシ

                              
 今日二月十四日は、曲軒・山本周五郎氏の命日。没後40年に当たる。

 人は敵意や憎悪だけでは生きられない、ということを、読者とともにたしかめてゆきたいと思う。
 死の三年前、週刊朝日への連載開始に当たって、作者はそう記している。


 前進座の『さぶ』は凄いというのは、広島市民劇場にいる頃すでに伝説的に囁かれていた。

 入座二年目の暮れ先代国太郎の急病による演目変更で、初演メンバー決定版的なものが急遽上演された。別の芝居の巡演から戻った日、前進座劇場は一杯で、お仕舞まで後ろに立ってみた。前進座『さぶ』は、数ある劇化映像化の中でも人足寄場の場面のウェイトの重さが他にない特徴。女衒の六、赤鬼など脇を固める存在感は圧倒的だった。
 が、三幕目に入ってからは正直言って付いていけなかった。寄場で成長し出てきた筈の栄二は相変わらず鼻持ちならないし、大詰めのおすえには「何だこの女は」と反感以外の何物も感じなかった。世代交代したとき、身も世もなく泣き崩れたおすえに初めて納得がいった。
 その後出演したときには、自分の役に付いて行くだけが精一杯だった。 
 ご見物は涙で絶賛して下さるし、劇団員も「やっぱりさぶは良い」と、何度も観た芝居の舞台稽古に涙を流す。


 世代交代して現さぶと栄二が誕生したのが88年。その年と翌年、島蔵、松造、万吉で参加、九年後の二十世紀最終公演に女衒の六。それ以来九年ぶりの上演。初役三つに取り組んでみると発見の数々。

 出番が終わって、件の三幕目を見ていると、「ヤマアラシのジレンマ」ではないが、“人とは傷つけあうもの”という事が強く迫ってくる。

 今回は三十年間の上演でいろいろ増えた入れ事、決まり事を忠実に再現する集大成。長年この芝居に出て来た役者たちにはそれぞれ想い入れがあって、ここではこうやっていた、いやこうやったこともある、と喧しい。万吉、金太ら大抜擢組は稽古が終わるとぐったりしながらも、懸命に話し合っている。
 プロローグ部分を子役さんで行く初の試み、新配役たちの挑戦は『さぶ』に相応しい清新さを漂わせる。

 糸井コピー塾風に惹句を作るとしたら、
幻の名作、ちょっとリニューアル  
     くらいのところでしょうか。


両替商綿文の暖簾は初演の後行方不明になり、今回ひょっこり出てきたという

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国立文楽劇場国立文楽劇場(こくりつぶんらくげきじょう、National Bunraku Theatre)は、大阪市中央区 (大阪市)|中央区にある劇場。4番目の国立劇場として1984年に開館。世界無形遺産に指定される人形浄瑠璃(文楽)の公演などが行われる。.wikilis{font-size:10p

  • 2007/08/01(水) 11:23:30 |
  • 大阪探索どっとこむ
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