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一役者の気ままな雑記。 何処へ転がりまするやら。

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竹藪じゃあねェけれど

 中村梅之助が、はじめて和尚吉三を勤めた
国立大劇場での通し上演『三人吉三郭初買』の公演直前に、
一億円の札束が竹藪で発見された。
早速、芝居に採り入れて、連日大受け。

この芝居、百両の金が人から人を巡ってドラマを織り成す。
大川端で、和尚・お嬢・お坊、三人の吉三を結びつけ、
和尚の父・土左衛門傳吉からお坊吉三に渡って悲劇を彩る。
その間に釜屋武兵衛という不思議な男が、ほんの一瞬この大金を手にする。
日の出から日の入りまで一日がかりだった江戸時代の上演なら、
武兵衛の出番は結構、多い。
三人の吉三が捕手に囲まれる大詰も、偽首を密告した武兵衛ゆえ。

 江戸のご見物には、武兵衛は親しい存在。
八百屋久兵衛、傅吉と同じく、『八百屋お七』世界のキャラクターの一人。
お七に横恋慕した挙句、叶わぬとなると奉行所に密告、
お七火炙りの原因をつくる男だから、
「こいつは裏切る奴だ」と思ってご覧になっている。
 
 三時間に纏めた現上演では、‶傅吉内″と続く“大恩寺前”の二場面のみ。
百両リレーと、悲劇の前のチャリ場担当。
初演では、お坊吉三役の九代目團十郎の異母兄・白猿が演じて、楽屋落ちの台詞となる。

「思い掛けなく手に入る百両」と、名セリフを鸚鵡に言った後に、「竹藪じゃぁねぇけれど」と呟いた市川祥之助先輩は大うけだったから、似たような事件が勃発するのを期待した。
広島のごみ処理場で一千万ほど発見されたのだが、
残念ながら今一つインパクトはなかったから、この手は使えない。

 もう一つの課題は、武兵衛の引っ込み際。花道で沸かせても、去り際がどうしてもしょぼけてしまう。
チャリ場は、歌舞伎でもシェークスピアでも、そのあとの悲劇を引き立てる大事なリリーフ。
今、一つは案があるのだが、さて。


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こいつぁ春から縁起が良いわぇー前進座劇場ファイナル

 京都の春秋座で上演した際には、学生さんがポスターを造って下さっていた。
三人の吉三の錦絵の周りに、鏤められた言葉は曰く、「近親相姦」「強盗」「殺人」と物騒なものばかり。
不道徳のオン・パレード。明治の所謂「演劇改良運動」は、今見るといささか滑稽だが、維新・国際化の時代に、海外に対して恥ずかしいと心配した気持ちもわからなくはない。

 不思議な運命に導かれる泥棒トリオの話は、初春早々縁起が悪そうなものだが、
『三人吉三』は、153年前の新春に上演された傑作。
懸命に生きる人間ドラマはむしろ清々しい。

 シェークスピアにも、不道徳な事柄は枚挙に暇ないが、殺しの場面などは舞台では余り見せないようだ。
殺人も強請騙りも、美に昇華してしまう歌舞伎は、つくづく不思議な芝居ではある。



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こわい小屋ー前進座劇場ファイナル


今日は、武蔵野の映像を記録する方々が劇場訪問。
稽古中の劇場のあちらこちらを映像に収めて行かれた。
幟の贈り主には故人の名も

廻り舞台があって取り外し可能の花道、スッポン機構まである。
500席だから全て特等席、思えば誠に贅沢な劇場である。
だからこそ、役者の一挙手一投足が備(つぶさ)に見えてしまう、
誠にコワい劇場でもある。

 この劇場に本寸法の飾りをして稽古が出来る、
罰が当たるほど幸せな環境を、当然のように過ごしてきたわけだ。
 折角のこの環境を使って役者発動の若手公演を、
という話は何度も出た。

 先輩たちは歌舞伎の勉強会もやっているし、
舞台に出る機会の少ない女優陣が企画した
“花みづきの会”公演は、第三回まで続いて、
二本の芝居が本公演に昇格した。
すっぽんの中を撮影

 前進座Next プロデュース『三人吉三』は、
現在の若手男優が手掛ける初の試み。

30年の歴史を終える前進座劇場に、
新しい芽生えを添えようと、いま汗を流しています。


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五輪おやまー前進座劇場ファイナル


 五代河原崎国太郎・六代嵐芳三郎追善の第十三回藤史会。
八月が恒例なのだが、今回はクリスマス・イヴの開催となった。

 今回は、『鏡獅子』の老女一役。
女形

初めて女形をしたのが、この会でのこの役だった。
以来、『鏡』が出れば、この役を勤めている。
尤も本公演での女形は殆どないから、前回の会以来。
オリンピックぐらいの間隔でしか務めない女形、 
化粧、着付を想い出しつつ無事勤めてほっと一息。

 会主・藤間多寿史は、前進座の養成所で日舞の授業を
受け持ってきたから、座員の弟子も多い。
会の際には、脇の役に出演、貴重な勉強でもある。
『かさね』の捕手(中村翫右衛門が若いころつけた手が現在に伝わっている)、
『船弁慶』の船頭などをさせて頂いた。
中でも『お夏狂乱』の馬士は、一踊りする役。
重ねて務めたことが貴重な経験となっている。

 この藤史会が、年内の前進座劇場公開納め。
ファイナル公演『三人吉三』の稽古は、今日から劇場に場を移す。


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二重稽古ー前進座劇場ファイナル


 前進座劇場ファイナル公演稽古たけなわ。

今回は300回以上上演してきたスタンダードの上演と
若手が全員初役で挑むNextとの2ヴァージョンだから、
稽古も倍。

 前進座での『三人吉三』は、創立六年の1937年。
歌舞伎十八番『勧進帳』に長谷川伸、三好十郎作品との
四本建て。
河原崎長十郎・中村翫右衛門・河原崎国太郎のトリオだった。
 中村梅之助・和尚吉三の第二次は’89年の全通し上演『三人吉三廓初買』から。
現在のヴァージョンは、’98年からだから、もう14年。
この後の九州の鑑賞会巡演で全国制覇。

Nextのメンバーは皆、スタンダードにも別の役で出演している。
それぞれ微妙に台詞の端々が違っているところもあるから、
おとせ・十三郎の恋人二人を演ずる役者など、
よくこんがらないと感心する。

 Nextで自分がやる役を、十何年やっている人が
眼の前で演じているのだから、スタンダードの
稽古場もいつもと雰囲気が違う。

初日まで十日。
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