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一役者の気ままな雑記。 何処へ転がりまするやら。

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天と地と山城と

朝、ホテルの大浴場の体重計で量ったら身体年齢23歳と出た。
身長と年齢を入力するだけだから、根本的にデータが少な過ぎる。
のだが、
「おべんちゃらが過ぎよう。機械にはその程度が計れない」と思った。
だから、この日に十時間も歩き続けてしまった事とこの数字とは全く無関係である。
                        親鸞聖人の南無阿弥陀仏

 浄土門への大弾圧・承元の法難(1207)で、親鸞聖人が流されたのがこの上越。
雪の中、ホテルから海に向かう途中の電柱に記された町名プレートは、御館。
上杉を描いた今年の大河ドラマで丁度いま乱の舞台になっているのはこの辺りらしい。
海沿いには安寿と厨子王の碑や小川未明の(赤い蝋燭と人魚)の記念碑が建ち、
様々な物語に所縁深い土地。
         人魚の像

 『法然と親鸞』巡演中のこととて、先ずは親鸞聖人ゆかりの地を一通り巡ってみた。
上陸の地に建つ庵では、念仏講の日。早々といらっしゃっていたおばあさんにお茶をご馳走になる。
春の雪の日とて、若い頃、月雪花を一度に見たというお話を聞く。
 聖人遺跡を一巡し終えて、さて気になったのは春日山城。
              上杉謙信像

 小学生の時に見た大河ドラマ『天と地と』(海音寺潮五郎原作)は印象深い。
親鸞聖人所縁の上越西部から一時間ほど東南に歩いて
麓に達した春日山は昨日からの雪に覆われていた。
         雪道

山城の代表格の一つであるこの城、雪道はなかなかのもの。
三月の雪は、この辺りの積雪としては可愛いものだろうが、
踝の上まで沈む。
 が、天守跡から臨む四辺の山々と町並みは其処までの難行に報いた。
幾らか写真も撮ってみたのだが、残念ながらそれを伝える仕事は私の腕に余った。
                     蜃気楼を思わせる清澄な景色を想像してください

 半日仕事と思っていたが、朝から出掛けていて、山を降りて会館に辿り着いたのは
夕方からの搬入がすっかり済んで暮れかかった頃だった。
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三つの『W3』

 17日、漫画週刊誌創刊から半世紀の日を迎えた。

 同日に発売されたライバル
『少年マガジン』と『少年サンデー』とは、キャラクター相乗りのTシャツなどなど、
一昨年辺りから幾つかのコラボレーション企画が眼を引いていた。

 それらを見る度に、両方の雑誌に掲載された漫画があるのに、と思っていた。
40年以上前の話。もう“古傷”でもあるまい。

 手塚治虫『W3(ワンダースリー)』は、
アニメーション企画が先行した作品だが、
放送の二月余り前からマガジンに連載開始。

 手塚のマガジン初執筆だった。
が、あわや地球爆破かという引きのまま、
六回132頁で打ち切られた。
 一ヵ月後、翌週にTV放映を控えてサンデーに登場。
優等生的だった主人公の性格を改めての再スタートだった。

 本邦初の連続TVアニメ『鉄腕アトム』が始まって丸二年。
『リボンの騎士』などが予定されていた毎週一時間の“手塚治虫ランド”は
第回だけで挫折、初の連続カラーアニメになる筈の『ナンバー7』も暗礁に乗り上げていた。
進行中の『ジャングル大帝』(結果的に初の連続カラーアニメとなった)を加えても、
大所帯となった虫プロに多くの余剰人員が浮いた。

 『W3』は、彼らを掬い取る為に急遽生まれたのだった。

 最終回近く、村の顔役を懲らしめる為に
W3が作った天狗像を見た村人の一人が
「『ウルトラQ』だ!」と叫んでいる。今で言えば自虐ネタ。 

 一年間のTVアニメ放映が後半に差し掛かったとき裏番組に忽然と現れたのが、
“毎週いろんなゴジラが現れる”『ウルトラQ』。
 その第一回を見た息子の興奮振りと、
終了後変えたチャンネルに映し出された『W3』の動きのみすぼらしさに
手塚は打ちのめされた。
挽回策はなく、一月後『W3』は放送時間を変更する。

 漫画雑誌の交代、特撮の登場、 
様々な時代の波が押し寄せ引いて行く時期だった。 

 同時期にTVアニメ『ジャングル大帝』を担当した山本暎一氏は、
製作開始前に52本分のストーリーを準備した。
「こういうやり方もあるが、ギリギリまで追い詰められた中から
面白い作品が生まれる」と手塚治虫は良い顔をしなかった。

 漫画にアニメに八面六臂の活躍とトラブルの中、マンガ『W3』は
ほのぼのとした味のSFとして残った。
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『川を越えて、森を抜けて』

  

 今年の初観劇。
一二月の殆どが旅先だったとは言え、自分でも意外。

 加藤健一事務所vol.71。
新加藤健一事務所としてvol幾つのカウントが始まる前、
銀座みゆき館劇場での『審判』初演から、スケデュールが合う限り
観続けている。
 行ければ行くと決まっているから、
チラシを貰っても、観るのは殆ど日程だけ。
だから、竹下景子さんが出演されていることも
ロビーの花輪で初めて知った。

登場人物は六名。
 イタリア移民三世の青年とその祖父母二組、
そして祖母の一人が仕組んだ見合相手の若い女性。

 青年の父母や妹は離れた州に住んでいる。
同じ街に住む祖父母たちと青年は毎日曜のディナーを共にする。
青年の将来につながる昇進のチャンスが訪れたが、その為には
この東海岸から西海岸に越さなければならない。
 この世の終わりの如く嘆く老人たち。
彼らと向き合う中で青年は、移民一世たちの歴史と価値観に出会うことになる。

 青年の独白から始まる舞台は、
場面変わり毎に登場人物たちの独白が挟まれる。
経過説明ではなく、それぞれが孕む事情が
次の展開への期待を膨らます。

“テンゴ・ファミーリア”
イタリア系の合言葉ともいうべき言葉を、
母方の祖父が最初の独白で語る。
“家族を養う”というそのままの意味だけでなく、
自己の存在意義にも関わる人生のキー・ワード。

親が決めた古臭い結婚をして、夫の世話をしたり、家族を養ったりを
第一義としてきた平凡な老人たちが輝いてくる。
 
 会話の妙、見事な間が、正味二時間の芝居を、笑いの連続の中引っ張っていく。
存在感とリアリティ。ありきたりのこの言葉が矢張り芝居の命なのだろうか。  
 三月十八日初日の舞台。
               


 ずっとA4だったパンフレットが立て半分になっている。
前回の『詩人の恋』再演のは、正方形に近い形だったよう。
値は800円から500円に値下げ。
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カエルと仏蘭西人

先週まで毎日渡っていた道頓堀川から、
カーネルサンダースおじさんが発見された。
 道頓堀川に何人もがダイヴした
阪神優勝狂想曲のニュースには憶えがあるが、
私が劇団に入る前の話だったとは驚き。

 中座、くいだおれ、
幾つものランド・マークを失って 
すっかり様変わりした道頓堀の通りに
おじさんの帰る店も既にない。

 上半身に続いて翌日は手とズボンが発見されたが、
カーネルおじさん捜索作業ではなく、
河岸工事に伴う不発弾等の探索だった由。
 
 一時はヘドロに覆われていた道頓堀もテラスのある
お洒落な川に変わり、橋はダイヴ防止仕様に替わった。

 91年から99年の中座閉鎖まで、
ほぼ毎年九月はここで暮らした。

 日本全国何処へ行っても水道水を平気で飲む性質なのだが、
90年代半ばの大阪の水は酷かった。
前年行った時には飲めた水が、
その年は美味い不味いの域を越えて、
楽屋のもホテルでも黴のような匂いに冒されていた。
水を買うことに抵抗があった私も
ペットボトルの水を初めて手にした。

 今、すっかり美味しくなった大阪の水だが
道頓堀でも大阪湾でも浄化の努力が続いている
(道頓堀の水を飲んでいるわけではないけれど)。

 北杜夫のユーモア小説『怪盗ジバコ』は
急に転調して結びの場となる。
軽蔑の表情を見せるウェイターに
「水道の水」を注文して美味しそうに飲み干す
神出鬼没の怪盗ジバコ。
「日本人とフランス人とカエルしか
飲まないという水道の水を」と作者は記す。

 あの夏の大阪を除いて、今も昔も
水道の蛇口から水を飲む私はその度に
このフレーズを思い出す。
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 “そしてやっぱり牛はのろのろと歩く”

   

 干支の文字にはいろいろと謂われ因縁故事来歴があるようで、
植物が種から生い育っていく段階を表すとの説もある。
 その解釈では、“丑”は、芽吹きの直前、
種子の中で力がみなぎる状態。
そう聞けば、殻に遮られながらグルグルととぐろを巻く
茎の姿に見えてくる。

 高校の恩師の賀状に高村光太郎の『牛』という
詩作の一部が引用されていたので
調べてみた。

 教科書にも良く採られる『ぼろぼろな駝鳥』をはじめ、
生き物を描く作品の多い光太郎だが、
中でも牛は好きならしく幾つかの詩篇がある。 

 愚直に平凡な大地を行く牛は光太郎の理想だったろうか 
『牛』は詩集『道程』時代の終わりの時期。
千恵子に出会ってデカダンを抜け出した頃の作品である。

 現代の読者としては
“やくざな架空の地面にだまされない”というところに
バブルやらヴァーチャルやら
浮き足立った現代への警告を読み取ってしまう。

 何であれ、蓄えないものは出て来ない。
外を見ると同時に己が内面を牛の眼と
がむしゃらではないがやっぱりかなり我武者羅な
牛の足。
118行の長編詩は示唆に富んでいる。
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