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一役者の気ままな雑記。 何処へ転がりまするやら。

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手塚の生首

 今上演している四世鶴屋南北『解脱衣楓累』(げだつのきぬもみじがさね)は、
196年前に書かれながら、何故か上演されず埋もれていた作品。
 関東大震災も東京大空襲も生き延びて、戦後の古本屋で偶然発見され、24年前に劇団前進座が初演。
全国で200ステージほどを上演、今回は17年ぶり。

 初演の際は、“生首と旅する男”というキャッチフレーズを使っていたが、現実の猟奇事件を想起させそうで今の御時世には使えない。
神戸の事件の時には、猿之助さんのところで上演予定だった生首の出る狂言が変更を余儀なくされたと記憶する。
 南北作品中の事件は、どれも多分に象徴性を持っている。が、現実がこう血腥くては、似た事件に目眩まされて、その持つ意味が吹っ飛んで仕舞いかねない。

意思を持った生首が登場するのが、『鉄腕アトム』「ゾロモンの宝石」。
自在に質量を変える星を統率する女王シーラは培養液のケースに収まった首のみの存在。
 
アニメ放送終了直後の長編。次の『火星から帰ってきた男』は雑誌『少年』の廃刊に伴い最終話となるのだが、ここでアトムに18回目のクリスマスと言わせているのに従うなら、これは2021年の出来事。


 案外海外SF映画か何かに発想の元があるのかもしれないが、
南北物などの歌舞伎が火種になった可能性も捨てきれない。『アトム』「ZZZ総統」では『紅葉狩』の舞台面を登場させているし、幼少より宝塚に親しみ、『罪と罰』などに出演し、桂春團治のポスターも描いた手塚治虫氏。
サンデー版ライオン・ブックスには『安達が原』があり、『火の鳥・羽衣編』は定式幕のある芝居仕立て。

昆虫採集や出演動物から斬った手塚論は既にあるが、
伝統演劇と手塚治虫、これ充分一冊の書物になりそうなテーマではある。
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大熊猫三昧

 関西ローカルのニュースで、姫路手柄山にある水族館が、今月一杯で三年ほどの休館に入ると報じていた。
 大人200円の格安料金で意欲的な企画を実施する同館は多くのリピーターを持っている由。
 大阪からは遠いがここへ行くか、梅田で今日が初日の『黒部の太陽』に行くかと迷った末、最初の予定通り王子へ。ここもなかなか機会を得なかった動物園。

 お湿りは午後からの予報だったが、開園前から降り出した雨が、何処からか金木犀の強い香りを運んでくる。
 取っ付きのフラミンゴから先に進むと、ジャイアントパンダの舎。
メスが一人うつ伏せている。考えてみると動く大熊猫を見るのは初めて。
たれパンダのキャラクターは誇張ではない。
一度寝返りを打って又同じスタイルに。
給餌の時間にもう一度覗くことにして先に進む。アシカの水槽は他所にもあるが、ここの三頭はなかなかの役者。
 同じような構造の舎に住む北極熊は地上で雨宿り。
 霊長類は四種揃い踏みだが、雄のオランウータンは顔を出さなかった。

 再び大熊猫。大量の笹に囲まれ、タイヤに座って食事中。雄も現れて豪快に食べる。
口の端に扱き取った葉を掴んで食べ続けるのだが、雌は右利き、雄は左利きなのが面白い。
    雌の旦旦雄の興興

見飽きない。なるほど人気のあるわけだ。

 都合四回ほどここを覗いたが、これからあとは延々食事風景が続いた。
燃費の悪い大熊猫は一日の大半を笹摂取に費やすという。

 上野に行列して駆け足で見学したという頃とはすっかり時勢が変わったのだなと思っていたら、
普段は立ち止まってみることなど出来ないのだそうな。まして今日は日曜。
なるほど舎の前には、銀行のATMにあるような行列路が設置されている。
王子行きは、決断ミスかと思ったが、これだけでもメッケモノ。

 中国から貸与の期限はあと二年だから次回来ても会えなかったかもしれない。
この春上野のリンリンが身罷って、今この二頭のほか、国内にはアドベンチャーワールドに在日三世の双子を含む六頭が居るばかり。
 王子でもこの夏仔が生まれたのだが、三日ほどの命だった。ここはコアラの繁殖にも取組んでいる。
ボタンで目鼻をつけた鹿の縫いぐるみのようなシタツンガにも、初めてお目に掛かった。
              シタツンガ

 140種800点が住むこの動物園は、1951年創立(前身の諏訪山動物園創立は1937年) 
ミニ汽車の走る遊園地の名が、ロボコン広場なのは時代。
 国内象最長寿のアジアゾウ諏訪子はこの四月に大往生していて間に合わなかったが、今月末に誕生日を迎えるオウジくんは終日公開中。
 国の重要文化財・旧ハンター邸も今月含め年に三月しか内部公開されていないという。
矢張り今日の訪問は正解だった。
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崖っぷちのモナ

 大河ドラマ最高傑作とさえ思える『獅子の時代』は、
視聴率的には振るわなかった。

 これは当時の幕末ドラマの殆どが甘んじた状況。
薩摩会津が激突する巴里万国博覧会に始まったドラマは、
秩父困民党事件をハイライトに抗う庶民伝説として
幕を引くが、作者山田太一氏が、
時代を調べて面白く思ったことを全部書き込んでしまった
という如く、現代人にアピールする幕末明治の事象は
網羅されている。
 
 ドラマ終盤前に差し挟まれる朝鮮独立運動もその一つ。
『栄光なき志士たち』は、BSでの再放送でカットされた。
朝鮮独立闘士の一人を演じた俳優が何度目かの麻薬所持で
逮捕された為である。

 麻薬犯罪者に関するコードがそうなっているなら
致し方ない様でもあるが、ドラマのファンには納得が行かない。
彼一人の45分ではないのだ。
 
 Kさんの逮捕で昼ドラが打ち切られるという今回の処置も、
そのドラマを見ていないからよく判らないが、
腰の引けた事勿れ主義としか見えない。
製作者や共演者、
楽しみにしていた観客には納得がいかないだろう。
禊

 戦犯さえも復活してくるこの国で、
麻薬と不倫にだけ潔癖なスタンスは意味不明。
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五輪についてのささやき

 『天平の甍』を持って北京へ発ったのは五年前の今日。
五輪までにもう一度帰ってこようと思っていたが、日常に追われるまま五年が過ぎてしまった。
 
 スポーツ中継自体余り見ないから、五輪も見たといえるのはシンクロぐらいのもの。

 44年前の東京オリンピックは、半裸で涼む「良くぞ男に生まれけり」族や沿道の床几など、
旧日本の風俗を一掃した。

 手塚治虫のサイレント漫画に、オリンピック下のヒゲおやじ主演のものがある。
 することなすこと国辱と役人に制止された庶民代表ヒゲおやじ。
“清潔”になった沿道を走る聖火に、役人は満足。
が、聖火台からモウモウと煙が上がる。
七厘調理を禁じられたヒゲおやじが、秋刀魚を仕掛けていたのだった。


 1940年に予定されていた東京五輪は日中戦争の為中止されたが、
当時の映画人が構想した五輪映画の話が、
稲垣浩監督の随筆に記されている。
小津は何処、溝口は何処、と錚々たる才能が適所に配された垂涎もの。

 24年後に実現した五輪映画は、市川昆監督作品だったが、
最初に白羽の矢が立ったのは黒澤。
開会式などの演出を含めての依頼だったが、
予算の二倍掛かることが判り幻に。
現在のようなショー的な式典ではなかったろうが、
どんな開会式を演出したか、これも見てみたかった。


 張芸謀演出の北京開会式には、みんな度肝を抜かれながら、
種明かしをされると待ってましたとばかりに“偽装”扱いの攻撃が始まった。
「だから中国は」とひっくるめる向きさえある。
事故米問題以前だったから、本邦の偽装は船場吉兆の女将くらいだと思っていたのだろう。

 張は映画監督。
その“作品”を創るのに、この顔とこの声じゃなければと思えば
二人の少女にそれぞれの役を振るし、
少数民族を漢民族が演じることなど何の不思議もない。
解決すべき問題は別の所にある。
開会式をつつくのはお門違い。

 パラリンピック開会式が現実の達していない理想を描いても、
この聖域にはだれも口を挟まない。
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いつか来た道

 トマトは野菜か果物か?とは、時に議論の的となる。

 野菜も果物も植物に変わりはないが、バナナに至っては、
果物族かお菓子族かで所属が争われる。

「バナナはお菓子に入るんですか?」
 あれは我々が小学生の頃だけのことだろうか。
弁当の中に皮ごと削ぎ切りにしたバナナが入っていたりもしたもの。
それぞれの学校ではどんなお裁きを着けていたのだろう。

 信長も食べたバナナだが、輸入自由化されたのは1963年。
贅沢品が庶民のおやつとして享受される陰には、『バナナと日本人』(鶴見良行)に描かれるような矛盾や犠牲が今でもあるのではあろう。
              バナナ成る

 今、バナナが品薄。
 “朝バナナ・ダイエット”なるものの流行によるのだそうだ。
 一昨年の正月には、健康番組に踊らされてスーパーから納豆が消え、迷惑した。
 その時は、捏造が発覚して番組は打ち切り、納豆が本当の消費者の元に戻って来たが、
その学習もなく同じことが今起こっている。
 この国の大人たちは、よくよく右へ倣えがお好きらしい。

 背広姿のサラリーマンがバナナだけ抱えてレジに向かう。メタボ解消の業務命令で、藁にもすがりたい彼らには死活問題かもしれない。
 せっかくダイエットしているから間食をやめようなどという意識の持ち方が効果を挙げているので、一つ物を食べ続けて健康に痩せることはない、とTVでその筋の人が語っていた。
まぁ言われずとも、そうであろうことは想像がつく。

 食品の効用を喧伝してその日のスーパーの売れ筋に影響するお昼の番組があるが、あれは日々新しい食品が提示されてその日は品薄になっても、一つに突っ走らないところが味噌であった。
 その司会者がこう言い放った。
「食べ物と言うのは、口に入るものを適当に食べていれば身体にいいんです」。ヒヤヒヤ。

 まともに食事を摂れない仕事の時、実に重宝なバナナ。狂想曲は、まことに迷惑。
早く目を覚まして本当にバナナが好きな人たちに安いバナナを返して欲しい。




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